【前編】病気で働くことができないあなたに「障害年金」

「年金」と聞くと、どうしても「老後」というイメージが強い方が多いと思います。

ゆき

しかし、うつ病やその他の精神疾患で仕事に就くことができず、経済的に苦しい状況にある方にも支給される年金があることをご存知ですか?

難病を抱える方や障害を負った方、そして心の病に苦しむ方の助けとなってくれる「障害年金」

今回はそんな「障害年金」について、前編では障害年金のくわしい内容、後編では具体的な申請方法について、分かりやすくご説明していきます。

補足
私は医療関係者でも年金関係の専門家でもございません。慎重に調べてまいりましたので、参考にしていただければと思います。
「こんな制度があるんだ!」「こんな感じで手続きするんだ!」と知っていただくお手伝いができれば幸いです。

「障害年金」とは?

「障害年金」とは「病気」「障害」によって生活に支障をきたしてしまった場合に、国から支払われる「公的年金」の一つです。

どんな人がもらえるの?

病気や怪我による障害で、働くことができない方や日常生活を送ることが困難な方に支給されます。

主な病気や障害
身体障害・・・目や耳、手足、体感機能などの障害など
知的障害・・・知的障害により社会生活に使用をきたす場合など
内臓疾患・・・心臓病、人工透析、ペースメーカー装着、呼吸不全など
精神障害・・・うつ病、発達障害、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)など
※他にも様々、社会生活や日常生活に支障をきたす病や障害を持つ方に受給資格があります。

障害年金受給の要件

以下の5つの要件をすべて満たしていなければ、受給はできません。

障害年金受給要件
1.「障害認定基準」※1に該当すること。
2、初診日が年金の加入中であること。
3、初診日以前の年金の納付状況に問題がないこと。
4、最初の初診日から1年6ヶ月経過していること。
5、20歳~64歳であること。
「初診日」とは、例えばうつ病で「障害年金」の受給をしたい場合、うつ病の診察をはじめて受けた日になります。

ゆき

※1、「障害認定基準」とは国が定めた具体的な認定の基準です。以下のホームページにて確認できます。

参考 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準日本年金機構

「障害年金」の等級とは?

「障害年金」には「精神障害者保健福祉手帳」のように等級が存在します。

ゆき

1級から徐々に障害の程度が軽い状態とされます。

うつ病による障害年金の認定基準

障害の状態
1級気分(感情)障害によるものにあたっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の介護が必要なもの
2級気分(感情)障害によるものにあたっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したりまたはひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級気分(感情)障害によるものにあたっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したりまたは繰り返し、労働が制限を受けるもの

※全て「日本年金機構」の国民年金・厚生年金保険 障害認定基準を参考にしました。

参考 国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(全体版)日本年金機構

「障害基礎年金」と「障害厚生年金」

「障害年金」は申請する本人が加入している年金の種類によって「障害基礎年金」「障害厚生年金」かが決まります。

「障害基礎年金」

初診日に「国民年金」に加入している場合は「障害基礎年金」になります。

ゆき

主に自営業・主婦・学生・フリーターの方などです。
「障害基礎年金」の受給金額
・1級:月額 約8万円
・2級:月額 約6万円

「障害厚生年金」

初診日に「厚生年金」に加入している場合は「障害厚生年金」になります。

ゆき

主に会社員の方などです。
「障害厚生年金」の受給金額
・1級:月額 約15万円
・2級:月額 約11万円
・3級:月額 約5万円

自分には受給資格がある?

うつ病で「障害年金」の受給は難しいと言われています。

また、後編でもお伝えしますが「障害年金」の申請手続きはとても大変です。

しかし、「休職や退職を繰り返すばかりで、働くことが困難…」と感じている方、または「日常生活さえままならない…」という方は、自分に受給資格があるかだけでも調べてみてはいかがでしょうか。

少しでもお金の心配が減れば、それだけ早く社会復帰することができるかもしれません。

ゆき

自分に受給資格があるかどうかは
・年金事務所
・各市町村の年金課
・病院の窓口
などでも相談にのってもらえます。

ゆき

まずはかかりつけの医師に相談してみてもいいと思います。

後編からは具体的な申請方法についてご紹介しますね。

【後編】病気で働くことができないあなたに「障害年金」