日常生活を少しでも楽にする「精神障害者保健福祉手帳」

前回は働くことができなくなった場合の「傷病手当金」について見てきました。

働いている時にうつ病になったら「傷病手当金制度」を。

今回からは、仕事を休職、もしくは退職し、無職になった場合でも、日常生活を送る上で少しでもお金の心配が減ってくれるような、様々な公的制度についてご紹介していきたいと思います。

ゆき

今回は日常生活のサポートをしてくれる「精神障害者保健福祉手帳」についてお話ししていきますね。

障害者手帳?

障害者手帳と聞くと、身体が不自由な方が利用するイメージが強い方も多いと思います。

身体障害者手帳や、知的障害のある方が利用する療育手帳などが一番イメージしやすいかもしれませんね。

ゆき

精神的な病を持つ人にも「精神障害者保健福祉手帳」が発行されるようになったのは、1995年から。つい最近のことなんです。

うつ病や統合失調症、双極性障害、てんかんなど精神疾患を持つ方に発行されます。

必ずしも申請しなければならないわけではない

様々な理由で「障害者手帳」を持つことに抵抗がある方ももちろんいらっしゃると思います。必ずしも申請しなければならないというわけではありません。

ゆき

「どうしても‥‥」という方は無理に申請する必要はありませんよ。

しかし、手帳を持つことでのメリットは多くあります。今は抵抗がある方も、頭の片隅に「こんなサービスがあるんだ」と知っておくだけでもいいと思います。

精神障害者保健福祉手帳のメリット

精神障害者保健福祉手帳には1級から3級まで存在し、等級は医師の診断書で判断されるようです。

具体的に受けられるメリットを見てみましょう。

全国一律に行われているサービス

公共料金等の割引
・NHK受信料の減免
税金の控除・減免
・所得税、住民税の控除
・相続税の控除
・自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
その他
・生活福祉資金の貸付
・手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
・障害者職場適応訓練の実施

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

地域別によって行われているサービス

公共料金等の割引
・鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
※なお、JRや航空各社は現時点では対象になっていません。
・携帯電話料金の割引
・上下水道料金の割引
・心身障害者医療費助成
・公共施設の入場料等の割引
手当の支給など
・福祉手当
・通所交通費の助成
・軽自動車税の減免
その他
・公営住宅の優先入居

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

ゆき

各自治体によって受けられるサービスが異なりますので、あなたの住んでいる地域はどんなサービスがあるか確認してみて下さいね。

精神障害者保健福祉手帳の申請方法

ゆき

申請は各地域、市町村の窓口で手続きができます。お住まいの自治体か、かかりつけの医師に確認してみて下さい。

申請に必要なもの

1、申請書
2、診断書又は、精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
※診断書は、精神障害の初診日から6か月以上経ってから、精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。(てんかん、発達障害、高次脳機能障害等について、精神科以外の科で診療を受けている場合は、それぞれの専門の医師が記載したもの。)
3、本人の写真

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

医師の診断書が必ず必要になりますので、分からないことは医師に相談するといいと思います。

ゆき

また、診断書料も必要になりますので、心配な方は料金も確認しておきましょう。

とても簡単に申請できますが、どうしても一人での申請が難しいという方は、家族や病院が代理で申請を行うことができますので、安心してくださいね。

精神障害者保健福祉手帳を持つデメリット

ゆき

手帳を持つことで、これといったデメリットはありません。

厚生労働省のホームページにもはっきりと「不利益はありません」と書かれています。

手帳を持つことで不利益が生ずることはありません。また、障害が軽減すれば、手帳を返すことや、更新を行わないこともできます。手帳を持つことで、各種の割引やサービスを受けることができますので、ぜひためらうことなく申請をしていただきたいと考えています。

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/3_06notebook.html

やはり、一番のデメリットとなり得るのは心理的なものだけだと思います。「障害者手帳を持ちたくない」という方は、それでも構わないと思います。

冒頭でもお話ししたように、自分が必要だと感じた時に「そういえばこんなサービスがあったな」と知っておくだけでも充分だと思います。

私も精神障害者保健福祉手帳にはお世話になりました。
障害者手帳を持つことに特に抵抗もなかったので、あらゆるサービスを受けさせていただきました。生活がぐんと楽になり、お金の問題にもゆとりを持つことができました。

ゆき

自分から手帳を提示しない限り、うつ病だとか心の病だとかが分かるわけではありません。

持っていて損はないと思います。気になった方はまずはかかりつけの医師に相談してみて下さいね。

ゆき