ストレス社会と言われる現代、「うつ病」はとても身近な病気になってきました。
なんと、日本でのうつ病の患者数は100万人以上。
しかも、病院を受診していない患者数を含めると、300万人は超えると推定されています。
あなたがなるかもしれないし、もしかしたらあなたの身近な人、家族や友人だって、誰しもかかる可能性のある病気なのです。
今回から、「もし、家族がうつ病になったら?」というテーマで、うつ病だった私が、家族に「こうしてほしかった」・「こう思って欲しい」ということを、うつ病の時期別にお話ししていきたいと思います。
ゆき
誰のせいでもない
家族がうつ病を発症すると、「もしかして、私があんなこと言ったから?」、「あの時、僕がこうしていれば…」、「どうして家族になのに気が付いてあげられなかったのだろう…」と、つい家族である自分を責めてしまうと思います。
ゆき
うつ病が特別な病ではないこと、そしてその病気の原因は患者本人のせいでも優しい家族のせいでもないことを、まずは忘れないで欲しいと思います。
焦らないでほしい
うつ病が辛い病であるということはよく知られるようになってきました。
そんな辛い思いを大切な家族がしていると思うと、「早く治って欲しい」、「何とかしてあげたい」と思うかもしれません。そう思ってもらえることは患者として本当にありがたいことだと思います。
しかし、うつ病はとても複雑な病気です。元気そうに見えても心の中では泣いていたり、布団に横になって休んでいるように見えても、頭の中はフル回転していることだってあります。患者本人でさえ、自分がどうなっているのか把握できていないこともあります。
半年で治る人もいれば10年以上付き合う人もいます。
「頑張れ」が禁句である人もいれば、そうでない人もいます。
「早く治って欲しい」と思ってもらえることはとても幸せなことだと思います。しかし、患者本人はもっともっと「早く治したい」・「早く元気になりたい」と思っています。
ゆき
私の家族はどちらかと言うと「焦るな」と言ってくれるような家族でした。それでも私は焦ってしまいました。
「焦るな」と言われても焦ってしまう人が多いと思います。
家族が「大丈夫、ゆっくりでいいよ」という姿勢でいてくれることは私はとても大切だと思います。
そのままでいてほしい
ゆき
「言ってはいけない言葉」や「とってはいけない行動」など、世間の細かなルールに囚われず、うつ病になる前の、その家庭のままでいてくれることが一番だと思います。
うつ病になると、精神的にとても敏感になります。家族が自分を気遣ってくれていることにもすぐに気が付くし、自分のことで悩ませているのではないかと申し訳なく思ってしまいます。
普通よりも何倍も相手の心にアンテナを張ってしまいます。
しかし、それはうつ病だから仕方のないことなのです。
ゆき
外に一歩出ると、たくさんのアンテナを張り巡らして疲れ果て、「自分はうつ病だから…」と引け目を感じ、ボロボロになって帰宅します。
そこで、うつ病になる前と何も変わらない家族がいてくれることは、何よりも幸せだと思います。
無理をしないでほしい
そして何よりも、家族だからと無理をしないでください。
冷たいような言い方かもしれませんが、家族と言えど、うつ病と闘わなければならないのは患者自身です。家族ではありません。
ゆき
家族だからこそ、無理をせず患者と付き合っていってほしいと思います。
もちろん、相談にのったり、病院についていってあげたり、手助けは必要かもしれません。しかし、家族の皆さんが元気でいてくれなければ患者は安心できません。家族であるあなたの、自分自身の心と体を何よりも大切にしてほしいと思います。
ゆき