同じような症状?「うつ病」・「双極性障害」・「統合失調症」は区別が難しい時がある

あなたは「統合失調症」という病気をご存知ですか?

「なんとなく聞いたことある」・「名前は知ってるけど詳しくは知らない」という方も多いと思います。

ゆき

心の病の中でも偏見が多い病気かもしれませんね。

実はこの統合失調症という病も、双極性障害(躁うつ病)と同じく、うつ病とよく似た症状を示す場合があるのです。

今回はそんな「統合失調症」について、少しですがご紹介します。

統合失調症とは

統合失調症は、思考や感情、行動をまとめることが難しくなってしまう病気で、2つの症状のタイプが存在します。

陽性症状

「幻聴」をはじめ、「幻覚」「妄想」などが特徴的な症状。これらの症状で興奮状態に陥ったり、攻撃的になってしまったりします。

多くの方が想像する「統合失調症の患者さん」のイメージではないでしょうか。

ゆき

周りの人からは、幻聴に聞きいってニヤニヤ笑ったり(空笑)、幻聴との対話でブツブツ言ったりする(独語)と見えるため奇妙だと思われ、その苦しさを理解してもらいにくいことがあります。

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html

陰性症状

陽性症状とは対照的に、「陰性症状」喜怒哀楽がなくてボーっとしたり、やる気が起きなかったり、集中力が続かなったりする症状です。

考えがまとまらずに会話がうまくできなかったり、小さな作業ミスを繰り返したり、主に生活面において支障をきたすことが多いです。また、1日中ぼんやりとして過ごしたりして周りの人から怠けていると誤解されることもあります。

ゆき

「陰性症状」はうつ病とよく似ていますよね。

誤診を防ぐ

統合失調症の陰性症状は確かにうつ病によく似ています。

しかし、統合失調症の初期は陽性症状があらわれ、長期になるにつれて陰性症状になっていく傾向が多いそうです。

ゆき

でも、全ての人がそうであるとは言えません。

統合失調症でも、陰性症状だけの場合はうつ病と誤診されてもおかしくないですし、陽性症状が顕著でない場合は双極性障害と誤診される可能性もあるのです。

検査で分かる?

まだ確実に診断できるというわけではないようですが、CT検査やMRI検査で脳の縮小を検査することが診断の手掛かりになるようです。

CTやMRIと呼ばれる装置で患者さんの脳を検査すると、脳の一部の体積が健康な人よりも小さいことが示されています。体積減少が指摘されている部位は、前頭葉や側頭葉と呼ばれる部位です。
ただしこの体積減少は、大勢の患者さんについて平均するとそういう傾向があるということで、統合失調症の患者さんと健康な人との重なりはかなり大きいものです。
したがって、それだけで原因ということはできませんし、それをすぐに診断には利用できません。

出典:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html

血液検査や脳の検査などで、確実に診断できるというわけではありませんが、「もしかしたら…」という不安を抱えた方にとってはとても有効な方法だと思います。

偏見が多いけれど珍しい病じゃない

統合失調症の発症率は、100人~120人に1人と、ごくありふれた病気。

とは言え、私も昔は「統合失調症=ちょっと怖い病気なのかな?」と思っていました。

ゆき

私の知人にも統合失調症の方がいますが、症状が落ち着いている時は「あなた本当に病気なの!?」と言いたくなるくらい普通で、うつ病と似た症状を見受けることもありました。

ゆき

統合失調症の患者さんの中には、うつ病を併発する方も多いそうです。

前回の双極性障害の章でも書きましたが、「自分はどうだろう?」と考えてみることが大切だと思います。

うつ病とよく似ている?うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違いを理解しよう

特に、長い期間うつ病を患っている方は調べてみるだけでもいいと思います。

今回も厚生労働省のホームページを参考にしました。気になる方はぜひ、自分でも調べてみて下さいね。

ゆき

参考 みんなのメンタルヘルス厚生労働省