うつ病のあなたにとって、一番の敵と言えば「不眠」ではないでしょうか。なかなか眠れないことで、うつ病や自律神経失調症など心の病に気が付いた人も多いかもしれませんね。
そこで今回は、我らがうつ病の最大の敵「不眠」の夜の過ごし方についてご紹介していきたいと思います。
3種類の不眠
「また今夜も眠れない!どうしよう!明日も早いのに!」眠れない夜の時間は本当に苦痛ですよね。私も毎晩、目を見開いて寝返りの嵐でした。「寝なきゃ!寝なきゃ!」と思うとどんどん眠れなくなる悪循環。
ただベッドでゴロゴロしているだけなのに、身も心も疲れ果ててしまうんですよね。やっと眠れそう…と思う頃にはもう明け方…。その後はもう、震えて眠る状態。
「不眠」と呼ばれる症状にはだいたい3種類あると言われています。
- 上記のように寝付きが悪い「入眠障害」。
- 一旦眠っても中途半端な時間に目が覚めてしまう「中途覚醒」。
- 寝つきはいいけど早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。
この3つの症状全ての方に試していただきたいのが、「もう、寝ない!」という選択肢です。
「寝ない」という選択肢
私はかなり不眠に悩まされてきました。前述した3つの不眠症状全てを経験しました。そこで見付けたのが、「寝ない」という選択肢です。
早朝覚醒に悩まされていたある日、ふと「起きてしまおうか」と思ったのです。とは言っても時間は早朝4時。外はまだ真っ暗。
うつ病特有の体のダルさはありましたが、のろのろと起き上がり、リビングのソファーで携帯のゲームをしていました。
すると、お隣さんが雨戸を開けて洗濯機を回す音が聞こえてきたのです。そして、新聞がポストに投函される音、車やバイクの走る音、犬の鳴き声。
「このぐらいの時間に起きてる人っているんだ!」と感動したのを覚えています。
今考えると当たり前なのですが、長くうつ病を患っていた私はとてつもなく視野が狭くなっていたのだと思います。
「うつ病を治すためには早寝早起きしなければ…!」と、もはや強迫観念のように思っていたのです。
それから、「眠れないのなら眠らない」、「ちょっとぐらい寝なくても死にはしない」、「夜中に起きてる人だっている」と思うようにしました。
そして私なりのルールを決めました。
「布団に入って30分しても眠れなかったらベッドから出て好きなことをする」という、簡単なものです。
うつ病なので好きなこともへったくれもないくらい疲れているのですが、30分経ったらベッドから出てソファーでぼんやりしたり、ゲームをしたり…。調子のいい時は料理をしたりしていました。夜中に食べきれないくらいの朝食を作ったこともあります…。
するとだんだん、「眠れなくても大丈夫」と、不眠が怖くなくなりました。
思い切って布団から出よう
それでも眠れない日は、「もう寝ない!」と決めて好きなことをしていました。そうすると自然とベッドに入ると眠れるようになっていきました。後々テレビで知ったのですが、これ「認知行動療法」に基づいたれっきとした不眠解消法だったんです。
長らく不眠の状態が続くと、脳が「ベッドに入ると眠れない・ストレスが溜まる」と勘違いしてしまうのだとか。そこで眠くなってからベッドに入ると、脳はまた「ベッドに入ったら眠る」と錯覚してくれるのだそう。
「眠れない」と漏らすと、やれ「昼夜逆転を治せ」、「ハーブティーを飲め」、「考え事をするな」、「ストレッチをしろ」、「お風呂にゆっくり入れ」など、真っ当なことをアドバイスされることが多いですよね。
でも、「そんなことできたら最初っからやってるよ!」という、苦しい中にいるうつ病のあなた、私はできないことはしなくていいと思います。「眠る」ことができなかったら、できなくてもいいと思います。眠たくなるまで、好きなことをしてみませんか?
やる気が起きなかったら、ソファーでボーっとするだけでもいいです。「眠れない時間」は、「自分のやりたいことをする時間」と決めると、ちょっと心が軽くなりますよ。
眠れないくらい苦しんでいるのですから、たまには自分を甘やかしてあげましょうよ!眠れぬ夜はうつのせい!あなたは何も悪くないんですから。