前編では、瞬時に浮かんでくる考え方のクセ「自動思考」についてお話ししました。
「どうせ私なんかダメなんだ…」・ネガティブからポジティブにはなれるのか?【前編】
後編では、ネガティブすぎる「自動思考」のストレスを避けるため、自分の自動思考のタイプを知り、客観的に考え、行動できるようになるための方法をご紹介します。
ゆき
認知のゆがみ・かたより
まず、「認知」とは物事の受け取り方や考え方のことで、それは人それぞれ。
しかし、それがちょっと不健全、というかストレスになりやすい考え方や捉え方をしてしまうことを「認知のゆがみ」もしくは「認知のかたより」と言います。
ゆき
代表的な認知のゆがみ・かたよりの例
1) 感情的きめつけ
証拠もないのにネガティブな結論を引き出しやすいこと 「○○に違いない」
例:取引先から一日連絡がない → 「嫌われた」と思いこむ2) 選択的注目(こころの色眼鏡)
良いこともたくさん起こっているのに,ささいなネガティブなことに注意が向く
3) 過度の一般化
わずかな出来事から広範囲のことを結論づけてしまう
例:一つうまくいかないと、「自分は何一つ仕事が出来ない」と考える4) 拡大解釈と過小評価
自分がしてしまった失敗など、都合の悪いことは大きく,反対に良くできていることは小さく考える5) 自己非難(個人化)
本来自分に関係のない出来事まで自分のせいに考えたり、原因を必要以上に自分に関連づけて、自分を責める6)“0か100か”思考(白黒思考・完璧主義)
白黒つけないと気がすまない、非効率なまで完璧を求める
例:取引は成立したのに、期待の値段ではなかった、と自分を責める7)自分で実現してしまう予言
否定的な予測をして行動を制限し、その結果失敗する。そうして、否定的な予測をますます信じ込むという悪循環。
例:「誰も声をかけてくれないだろう」と引っこみ思案になって、ますます声をかけてもらえなくなる出典:https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf
ゆき
視点を変える
自動思考は瞬間的に考えることなので、根本からの解決は大変かもしれませんが、考え方を変えることは充分できます。
例えば、瞬間的に「嫌われたかも…」という考えが頭に浮かんでも、「考えすぎかな」というポジティブな視点にシフトしてみるんです。
納得できるポジティブ視点の見つけ方
そうは言っても、「簡単にポジティブな思考なんて浮かばない…」・「一時的にポジティブに考えても、心の奥底ではネガティブなまま」という方も多いと思います。
ゆき
そこでお勧めなのが、「もし、誰かが同じ悩みを持っていたら、どんなアドバイスをする?」と考えること。
「誰か」は家族でも親しい友人でも構いません。視点を自分以外に変えることで、とても客観的に考えることができますよ。
自己教示法
「自己教示法」とは、自分で自分に言い聞かせること。
どんな言葉でも構いません。自分がかけられたら不安が減るような言葉でも、安心できる言葉でも、楽観的な気持ちになれる言葉でも。
こちらも、「同じ悩みを持っている誰かに、励ましの言葉をかけるとしたらどんな言葉がいいかな?」と考えてみるといいですよ。
ゆき
「自動思考」に気付いただけで、もうポジティブになったようなもん!
「自動思考」に気が付かずにストレスを溜めこむ人も多い中、私もあなたも「自動思考」という存在に気が付くことができました。
ゆき
生粋のネガティブ人間ではありますが、落ち込む前に「認知のゆがみ」に気が付き、視点を変えてみたり、「大丈夫」と自分に言い聞かせるだけでも、心の重さが違います。
ゆき
「ネガティブな気持ちが浮かぶけど、その暗い気持ちが長続きしない」というのは、気持ち的にとても楽ですし、もしかしたらポジティブにちょっとだけ足を踏み入れたのかも…?
ゆき