ゆき
春は、最もうつ病の発症率が高い時期だと言われています。最近では「夏バテ」ならぬ、「春バテ」なんて言葉もあるんですよ。
「木の芽時」と呼ばれるこの季節、うつ病の人はちょっと気を付けた方がいいかもしれません。
「木の芽時」って何?
「木の芽時(このめどき)」とは、春先の3月~4月、木々の新芽が芽吹き始める時期のことをいいます。
寒暖差
春先って気温が安定してくれませんよね。暖かい日が続いたと思えば、冬に逆戻りしたように急激に寒くなる日もあったり、昼間は暖かくても朝晩の冷え込みが激しかったり。
これって体にとってはかなりのストレスなんです。
「春先はいつも風邪をひいてしまう」という人も多いのでは?寒暖差が激しいと、自律神経もホルモンバランスも乱れがち。自律神経やホルモンのバランスが崩れると、どうしても心が不安定になってしまいます。
環境の変化
春は出会いと別れの季節。進学・卒業・就職・引っ越し等々…。
慣れ親しんだ生活に別れを告げ、新しい生活を始めることは誰でもストレスになります。
また、自分自身に大きな変化はなくても、周りが新生活を始めるとどうしても焦ってしまうもの。周囲の変化に過敏に反応してしまう人は、辛い時期と言えるかもしれません。
こんな風に、「木の芽時」と呼ばれる季節は心にも体にも大きな負担がかかるのです。
抑うつ気分を避けるために
春は環境的に、どうしても落ち込みやすいことはお分かりいただけたと思います。
「じゃあ、春はずっと鬱々と過ごすしかないのね…」とあきらめないで!気分の落ち込みを防ぐ方法ならいくらでもあります。
体を冷やさないこと
まず、身体を冷やして良い事なんてほとんどありません。
特に寒暖差が激しい春は、意識して体を温めましょう。特に温かい飲み物はおススメです。腸が温められると、幸せホルモンである「セロトニン」の分泌が活発になります。
日光を浴びること
実は、春にうつ病を発症する人の中には「冬季うつ病」という季節性うつ病を引きずっている人も多いのだそうです。
この「冬季うつ病」の大きな原因は日照時間の短さ。つまり、日光に当たる時間が短いからなんです。
とにかく無理をしない
とにかく心も体も辛い人は、頑張らないことが一番です。
「そんなこと言っても、仕事が!学校が!やらなきゃいけないことがあるんだよ!」という人は、春はできるだけ、全てのことにおいて全力で力を抜いてください。病気が重症化する前に、「頑張らないこと」が治療なのです。
桜の満開さえ恨めしかった私
私は春になるといつも気分が落ち込み、身体は重く、毎日ただ椅子に座って外を眺めているだけの日々を、何日も何日も過ごしたりしていました。
「芽吹く頃だから仕方ない」と分かっていても、私を置いてどんどん先に行く友人たちを、春はまざまざと見せつけました。
何も変わらない自分に嫌気がさし、満開の桜さえ憎たらしく思ったこともあります。
今思えば一生懸命咲く桜の、その一生懸命さが羨ましかったのかもしれませんね。そして今、私達は桜に似ているのかもしれないと思います。
桜は散ると、来年の花芽の準備をして休眠します。そして寒い寒い冬に目を覚まし、いよいよ開化の準備に精を出します。そして春になって美しい花を咲かせるのです。
もしかしたら、桜が一生懸命頑張っているのは、満開の時ではなく、寒くて苦しい冬なのかもしれません。
ゆき