「ワガママ?」「甘え?」誤解されやすい「非定型うつ病」自分を責めないために

最近よく耳にするようになった「新型うつ病」、もしくは「非定型うつ病」という言葉。

どちらも同じ意味で、うつ病の種類の一つです。

しかし、一般的なうつ病とは少し症状が違い、「甘えているだけ」とか「ワガママ」とか、そんな誤解をされやすい病気と言われています。

その誤解の大きな原因が、「自分が辛いことには抑うつ症状が出るが、楽しいことならできる」という症状の特徴。

ゆき

従来のうつ病は、楽しいこともできなくなります。

しかし、「非定型うつ病」だってとても辛い病気。今回は、非定型うつ病の方、もしくは周りにこの病で苦しんでいる人がいるあなたへ、「非定型うつ病」の正しい知識と、病気の辛さについてお話しします。

非定型うつ病って?

一般的にイメージされるうつ病を「定型うつ病」とすると、それとは症状が異なるという意味で、「非定型うつ病」と呼ばれます。

新しく分かったうつ病なので、「新型うつ病」と呼ばれることも。

ゆき

従来のうつ病(定型うつ病)との違い

うつ病は不眠・食欲の低下などがイメージされやすいですが、非定型うつ病は、過眠・食欲の増加など、従来のものとは症状が真逆なことが多いです。

ゆき

二つの違いを表にしてみました。
従来のうつ病非定型うつ病
気分やる気・興味・集中力が失われる。不安が強くなり、イライラしたり怒りっぽくなる。
良いことがあれば気分が良くなり、悪いことがあればひどく落ち込む。
睡眠寝付きが悪い・眠れない過眠
食欲低下増加・過食
時間朝方が最も気分が悪い夕方から夜にかけて最も気分が悪い

「気分反応性」

気分反応性とは、周りの状況によって自分の気分が変化することです。

ゆき

人間誰しも気分の浮き沈みがあるのは当たり前ですよね。

従来のうつ病は、ずっと気分が落ち込んだ状態が続きますが、非定型うつ病の場合、その気分の浮き沈みがとても激しいのです。

自分が楽しいことには気分が上がるが、嫌だな…と思うことにはとても気分が落ち込む。辛いことには抑うつ状態が強く出ると言われています。

「ワガママ」や「甘え」という誤解

この「気分反応性」ばかりが注目されると、「甘えているだけ」なんて誤解されやすくなります。

「気分反応性」への誤解

確かに、「うつ病なので…」と会社を休んでいるのに、思い切り趣味を楽しんでいたら一見、「甘えている」と思われるかもしれません。

しかし、その分辛いことはとても辛く感じるし、何よりも、一般的なうつ病と違って「楽しいことができる自分を責めてしまう」方も多いそう。

楽しいことがあれば楽しいと感じ、辛いことがあれば辛いと感じる。当たり前でも、その振れ幅が大きいと、生活しづらいはずです。

ゆき

甘えかどうか見分ける方法

非定型うつ病になりやすい性格として、以下のような特徴があります。

  • 小さい頃から「良い子」だった。
  • 自己主張が苦手。
  • 責任感が強い。
  • 甘えることが苦手。
  • 他人に助けを求めない。

こんなタイプの人が急にイヤなことを避けるようになったら、非定型うつ病かもしれません。

ゆき

ワガママや甘えた「性格」なら、良い子であるはずも、責任感が強いはずもないですよね。

「自分は甘えているのでは?」と悩んでいるあなたへ

もし、病院に行って「非定型うつ病ですよ」と診断されたなら、自分を責めるのはもうやめましょう。

従来のうつ病と違うから何だって言うんですか?苦しい気持ちは同じはずです。

私も、薬の副作用で過眠・食欲増加を経験しましたが、それは不眠や食欲低下と同じくらい辛いことでした。

ゆき

抑うつ気分も、うつ病と何ら変わりなく苦しいはずです。

もし、何も知らない人に「ワガママ」だとか「甘え」だとか言われても、思われていると感じても、

「自分が楽しいこと楽しんで何が悪い!!」

と思いましょう!

本当はそんなこと思えないくらい、優しくて責任感の強い方ばかりだと思います。

でも、楽しむことに罪悪感を持つ必要はないです。

ゆき

だって本当に、甘えているわけでも、ワガママを言っているわけでもないのですから。

その病気になった人にしか分からない苦しみがあると思います。

病気になったことや、病気の症状を誰かに責められるのはおかしいと思いませんか?

楽しいことは思い切り楽しんで、しっかり病院に通い、治療してください。私達は何も、責められるようなことはしていないのですから。

ゆき