うつ病には様々な種類があり、そのうちいくつかの症状についてご紹介してきました。
うつ病が長引いているあなたへ・うつ病以外の病気?「難治性うつ病」とは? 秋のうちから早めの対策!冬季うつ病(季節性情動障害)について理解しよう!【前編】 実は危険な「微笑みうつ病」・その特徴と症状・身近な人が気が付くためになどなど‥‥。
今回は、ちょっと不思議な名前の「仮面うつ病」についてご紹介します。
この仮面うつ病、昔からよく知られている病気ですが、なかなか診断しにくい厄介なうつ病なんです。
ゆき
仮面うつ病について
「仮面うつ病」の名前の由来は、「うつ病が仮面をかぶって隠れているから」。
こっそりとうつ病が潜伏している状態で、医師ですら診断しにくいのが大きな特徴です。
ゆき
主な症状は身体的なもの
仮面うつ病の大きな特徴は、身体的な症状が強く表れること。
体のどこかの「違和感」もしくは「痛み」が最も多い症状とされています。
その症状の種類はなんと50以上。
- 食欲不振
- 疲労感・倦怠感
- 腹痛・下痢・便秘
- 吐き気
- 微熱
- 頭痛
- 腰痛
- めまい
- 耳鳴り
- 動悸
ゆき
精神的な症状はないの?
もちろん、抑うつ気分なども現れますが、通常のうつ病ほどひどくはなく、ほとんど軽度です。
うつ病の典型的な症状(やる気の低下や気分の落ち込みなど)が見当たらず、体の痛みや違和感などに集中するため、診断が遅れてしまうのです。
また、仮面うつ病の症状で体全体の倦怠感やだるさを訴える人には、不眠(特に早朝覚醒)がみられることが多いそうです。
うつ病が仮面をかぶっていないか?
身体の痛みや不調があった場合、病院に行くのが当たり前ですが、仮面うつ病が疑われる場合、どの科に行ったらいいのか悩む方も多いかもしれません。
まずはどこに行くべき?
まずは、あなたが最も気になる身体症状の専門の病院に行きましょう。
ゆき
そして何か他の病気ではないか、他の疾患がないか検査を受けることが大切です。
様々な検査を行ったにも関わらず、何の異常も見当たらないのに自覚症状がある場合、仮面うつ病が疑われます。
この、検査をしても異常がないのに感じる不調を「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼びます。
仮面うつ病が疑われる場合
「検査をしても異常なし、何かしらの治療を受けたのに改善しない」
この状態で初めて、仮面うつ病の疑いが出てきます。
また、症状が出ている部分が別々である場合も、仮面うつ病が怪しいとされます。
・下痢が続く
・吐き気がある
などの場合、全て胃腸に関係する症状なので、胃腸の疾患が考えられます。
しかし、
・お腹が痛い(胃腸)
・頭が痛い(頭)
・動悸がする(心臓)
などの場合、不調の箇所がばらばらです。
これらが一気に不調として現れる場合も、仮面うつ病が疑われます。
仮面うつ病の原因と治療方法
仮面うつ病は、うつ病の中でも軽度のものに分類されます。
早期に発見し、適切な治療を受ければ、回復も早いとされています。
治療方法はうつ病と同じ
仮面うつ病だからと言って特別な治療が必要なわけではありません。
治療方法はうつ病と変らず、お薬を飲む薬物療法、充分な休息やカウンセリングなどの精神療法になっていきます。
ゆき
精神的なもんでしょ?
最近は何でも「ストレスでしょ」・「精神的なものでしょ」で片づけられがちです。
ついつい、「気の持ちよう。自分は病気じゃない」なんて考えてしまいますよね。
でも、少しでも「おかしいな?」と思ったら病院に行ってみて下さい。
仮面うつ病は軽度のうつ病ですが、進行すると身体的な不調だけでなく、抑うつ感などの精神的症状まで現れてきます。
ゆき